Inside cmn!

高木 桂佑

成果に繋がるブランディングのために。KPI化できるブランドアクション™という考え方。

Brandingブランド設計

「社会にとって、良いブランドでありたい」
「自分たちのブランドの価値を、もっと世の中に届けたい」

そう願って、ロゴを新調し、ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を掲げる。
あるいは、スタッフ研修に取り組んだり、プレスリリースを打ったり、社内外に向けて取り組みを実施している。

そんな企業の担当者の方、あるいはご自身のブランドを運営されている方は少なくないはずです。

しかし、
「ブランドの価値が積み重なっている実感が、イマイチ持てない」
「良いことはしているはずなのに、採用や売上といった成果に繋がっていない気がする」
といった悩みを感じることはありませんか?

想いはある。行動もしている。
なのに、成果に繋がっていない。
せっかくの行動が、ブランドとしての資産にならず、一過性の「イベント」のような形で終わってしまっている。

ブランディングは1日にしてならず、時間をかけて行なっていくものです。
ですが、「その時間のかけ方」を誤ってしまうと、成果に結びつきにくい積み重ねとなってしまう可能性もあります。

今回の記事では、そんな悩みを解消するヒントして
「ブランドアクション」という考え方をご紹介します!

ブランディングとは、選ばれ続ける理由をつくること。

ブランドとは、無形の資産である。

一言にブランディングと言っても、様々な定義やサービスが存在します。
私たちにとってのブランディングは、ロゴやデザインなどの表層を整えることではなく、「なぜそのブランドを選ぶのか」という、人の頭と心の中にある、判断基準を設計する行為です。

ブランド論確立の立役者であるデービッド・アーカーによると、ブランドとは、企業や事業が持つ「無形資産(ブランド・エクイティ)」と定義されています。
資産なので、モノやお金などの有形資産と同じように、本来は時間をかけて積み上がっていくものなのです。

売上、信頼、期待、など、ブランドが継続するにつれて人の頭や心の中に蓄積されるイメージや、実際の経営上の数字などが蓄積されていきます。

だからこそ、ブランディングとは、一回限りの制作ではなく、資産としてのブランドの価値を高め続けるための「継続的な」活動なのです。(ブランディングに「ing」がついている理由ですね)

オウンドメディアや地域貢献が続かないケースは、なぜ起こってしまうのか。

私たちが提供するブランディングのサービスでは、まずは「伝えたいメッセージ」や「世界観」、「理念」や「約束」といった、あるべき姿を言語化します。
そして、それをロゴやコピーといったビジュアルで一貫性を持って表現します。
ここまでは、いわば「旗を立てる」作業です。

しかし、どれだけ立派な旗を立て、どれだけ世間から「良い言葉」と認知されても、それを体現する活動を継続できなければ、成果は出にくくなってしまいます。

「オウンドメディアを立ち上げよう」「地域貢献をしよう」と意気込んで始めても、数ヶ月後には更新が止まり、活動がフェードアウトしてしまう……。そんな光景をよく目にしてきました。

では、なぜ続かなくなってしまうのか?
それは、その活動が、「経済的な価値(実利)」を生み出し、リソースを割く正当性を持てない設計になってしまっているからです。

何らかの活動を行う際には、当然、スタッフの稼働や予算などのリソースが必要です。
活動の目的を、何となくブランドイメージの向上、と定めてしまうと、そのリソースに見合った結果になっているのか?という判断が曖昧になってしまうのです。

だから、ブランディングにおいても、企業やブランドとして活動を継続するための経済的な価値(実利)に接続する、具体的な仕組みや取り組みが必要になるのです。

実利を生み出す「ブランドアクション™」とは。

その仕組みの一つとなるのが、「ブランドアクション™」です。

ブランドアクション™とは、一言で言えば「ブランドの『想い』を『体験』に変えるすべての活動」のこと。

ブランドが掲げる理念やビジョンを、サービスの内容、スタッフの行動、広告のメッセージ、CSR的な活動、社内の評価制度……あらゆる接点において「体現」することです。

少し想像してみてください。

「地球に優しい」と掲げているブランドの店舗に行って、過剰なプラスチック包装を渡されたら、あなたはどう感じるでしょうか?
その瞬間に、どれだけ素敵なメッセージも、立派な広告も、信頼しにくくなってしまいますよね。

消費者は、会社やブランドの理念やビジョンを読んで、その日からファンになるわけではありません。
その想いが体験として自分に届いたとき、初めてそのブランドを記憶し、信頼するのです。

ブランドとは、体験によって記憶されていくものです。

ブランドの想いを受け手に届け、相手の態度や行動を変容させる。
その結果として、ビジネスとしての経済的な価値(実利)が生まれる。
経済価値が生まれると、そこに予算を割く必然性が生まれる。
だから、ブランディングが継続できる。

という流れです。

  • 届ける仕組み
  • 選ばれる理由
  • 継続できる必然性

これらを設計することを、私たちはブランディングのプロセスにおいて何より大切にしています。

そして、これらの一つ一つに結びつくアクションを「ブランドアクション™」と呼んでいます。

ブランド側が定める「あるべき姿」と、社会に対する「行動」を一致させるために、どのようなアクションが適切かを考え、実現可能な方法で実施していく。
そのようなブランドアクション™の積み重ねが、ブランドの価値を積み上げていきます。

有名企業のブランドアクションの例

具体的に、有名な企業のブランドアクションの例を見ていきます。

まずは、「無印良品(良品計画)」です。

彼らの企業理念である「感じ良いくらし」を大きく二つに要素分解し、それらの実現のために、様々なブランドアクションが実施されていることがわかります。

これらは単なる慈善事業ではなく、「無印良品らしい体験」を顧客に提供し、結果として店舗への来店動機を生み、ブランドへの深い共感を生み出す「選ばれる仕組み」になっています。

次に、海外企業の事例も見てみましょう。
パタゴニア はパーパス経営を掲げていることで有名ですね。
「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」という壮大なパーパスを、彼らは以下のような具体的なアクションで体現しています。

さらに特筆すべきは、パタゴニアがこれらのアクションの成果を「インパクトレポート(サステナビリティレポート)」という形で公表している点です。

https://www.patagonia.jp/progress-report/

「これだけの寄付をした」「これだけの製品を修理した」「これだけの再生エネルギーを使った」。 それらを数値化して社会に公表し、パーパスを体現しようとする本気度やその姿勢を示すことで、深い共感を得ているのです。

効果的なブランドアクション™を続けるために。

ブランディングでも見過ごせない「KPI」。

ブランディングは時にイメージ戦略と呼ばれ、どこか実体のない見せ方や技術だと思われることがあります。
しかし、ここまでの内容で、いかに戦略設計と実際のブランドアクションまでを地続きにさせられるか、そして継続できる仕組みを作るか、ということが重要かご理解いただけたのではないでしょうか。

ブランドアクションの設計を行う際に、もう一つ大切にすべきこと。
それが、「KPI設定」です。

企業活動の一環として何らかの取り組みを行う以上、KPIを定めてしっかりと効果測定をすることが重要ですよね。それは、ブランディングにおいても同じです。

例えば、店舗を構えているブランドであれば、
ブランドアクションに対する参加数やSNSでの地域関連のUGC数などを設定する。
インナーブランディングであれば、スタッフの共感度テストや行動指針に基づいた表彰事例の数など、独自の指標と制度を導入する。

定性評価も大事にしつつ、定量的にも振り返りができるからこそ、予算やリソースの投資の継続や、やり方のブラッシュアップなど、経営判断に必然性が生まれるのです。

ブランディングに課題を感じてる方は、是非お気軽にご相談ください。

冒頭にも記述したように、私たちはこれまでに、せっかく「見せ方」の部分に多大な予算をかけて、多くの人の興味を惹くようなアウトプットをしているのにもかかわらず、取り組みが継続せずに減速していってしまうブランドをいくつも目にしてきました。

目指す未来や理念が素晴らしいからこそ、その度にもどかしさも感じてきました。

だからこそ、企業が「あるべき姿」を設計する上流の戦略立案はもちろん、その想いを現場での具体的な「ブランドアクション」に落とし込み、定着させるところまでを、一気通貫で設計・サポートしています。

少しでもピンときた方は、ぜひ一度ご相談くださいね。

 

Branding

Written by

高木 桂佑 Keisuke Takagi

director

1997年 釧路生まれ札幌育ち。地域に関わる企画の仕事がしたいという思いで、函館の地域プロデュース会社に入社し、事業企画や店舗の立ち上げ、コミュニティイベント運営などを担当。約4年間の勤務後、半年間のフリーランス期間を経て、2025年にcommonoに参加。以降ディレクターとして、主に企画のプランニングやディレクションなどを担当している。

Q1. commonoに参加した理由
デザインに関するコンセプト等の設計だけではなく、企画・戦略立案からマーケティングプランニングまでを当たり前のように考える社内カルチャーに面白みを感じたから。
Q2. わたしの偏愛
パスタと音楽が大好きです。アルミフライパンを持っており、週に2~3回はパスタを作ります。音楽はオルタナティブ・ロックが好きで、ライブにもよく行きます!
Q3. 今後commonoというフィールドでやりたいこと
北海道のクリエイティブを産業化していくために、会社の垣根を超えて学び・つながり・高めあう。そんな文化を札幌の街につくっていきたいです。

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