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辻 竜二

目的から逆算したデザイン 制作プロセス解説(デザインコンセプト編)

BrandingデザインTips

こんにちは、
commono株式会社Webデザイナーの辻です!

この記事では、実際のクライアントワークの流れを数回に分けて、その思考プロセスを言語化していくシリーズとして書いていきます。

これまでの記事では、
「リファレンスとはどういうものか」
「それをベースに仮説を立てるプロセス」

について紹介してきました。

リファレンスから業界の傾向や型を知り、
クライアントの持つ「らしさ」を大切にしながらプロジェクトの仮説を立てていく。ここまでが、デザインの方向性を考えるための準備段階と考えています。

そしてその仮説を整理し、
デザインの軸として一言でまとめたものが「デザインコンセプト」です。

今回は、仮説をどのように整理して
デザインコンセプトへ落とし込んでいくのかを紹介します。

また、このシリーズは今回で一区切りとなります!
これまでの記事を踏まえながら、言語化していければと思います。

拙筆ですが最後までお付き合いいただけますと幸いです。

この記事はどんな人向け?

・デザイナーを目指している、デザイナーになりたての人
・制作の流れの中で「どうしてそう考えたのか」に興味がある人
・コモノのアウトプットや考え方に興味がある人
・上流工程はディレクターやプランナーの領域だと思っている人
・頭で考える前にとりあえず手を動かしてしまいたい!という人

はじめに

デザインの工程では、
「コンセプト」という言葉がよく使われます。

「企画コンセプト」や「ブランドコンセプト」など、
さまざまな場面で使われ、広い意味を持つ言葉です。

今回は、
これまでのプロセスを経て導いた、
目的を実現するための「デザインコンセプト」
に焦点を当てて解説していきます。

デザインコンセプトって何?

ではデザインコンセプトとは何でしょうか?

私たちは、
「デザインの方向性を一言で表した、
羅針盤のようなもの」

だと考えています。

例えば、

ワイヤーを作っている途中で
「あれ、これでいいんだっけ?」と手が止まったり、

デザインを提出したときに
「なんとなく違う気がする」と言われてしまったり、

自分でも理由がうまく説明できないまま
修正を繰り返してしまった経験はないでしょうか。

それは、
デザインの判断基準が自分の中に無い状態で
進めてしまっていることが原因かもしれません。

デザインのプロジェクトでは、

・どんな構成にするか
・どんなUIにするか
・どんなビジュアルにするか

といった、さまざまな判断が日々発生します。

その一つひとつを感覚で決めてしまうと、
少しずつ方向がズレていき、

最終的に「何を伝えたいのか分からないデザイン」
になってしまうこともあります。

そこで必要になるのが、
判断の軸となるデザインコンセプトです。

デザインコンセプトがあることで、

「この方向はコンセプトに合っているか?」
「この表現は今回の目的に沿っているか?」

といった形で、
すべての判断を同じ基準で行えるようになります。

また、コンセプトはチーム内だけでなく、
クライアントとの認識を揃える役割も持っています。

「なぜこのデザインなのか」を
一言で説明できる状態をつくることで、

デザインの意図が伝わりやすくなり、
プロジェクト全体がスムーズに進みやすくなります。

つまりデザインコンセプトは、

単なるキャッチコピーではなく、
プロジェクト全体の意思決定を支える“軸”となるものです。

仮説からコンセプトを整理する

前回の記事で整理した仮説は、

「このプロジェクトでは、
こういう方向性が良いのではないか」

という
“意思決定の前提(=目的に近いもの)”でした。

一方でデザインコンセプトは、

その仮説をもとに
「では、どんな方向でデザインを作っていくのか」
を示すものです。

つまり、

仮説が「考え方」だとすると、
デザインコンセプトは「作り方の指針」にあたります。

もう少しシンプルに整理すると、

・仮説:何を目指すべきか(目的・前提)
・デザインコンセプト:どう作るべきか(方向性・手段)

という関係になります。

デザインのプロジェクトでは、
この「どう作るか」が曖昧なまま進んでしまうと、

・デザインの方向がぶれる
・判断基準が人によって変わる
・修正が増えてしまう

といった問題が起きやすくなります。

実際に、

・とりあえず見た目から作り始めてしまう
・参考サイトを真似してみるけれど、しっくりこない
・修正のたびに方向性が変わってしまう

といった状態に陥ってしまうことも少なくありません。

これはスキルやセンスの問題というよりも、
判断の軸が無いまま進めてしまっていることが大きな要因です。

そのため、

目的を実現するための“進む方向”を示すものとして、
デザインコンセプトが必要になります。

その方向性を整理するための方法の一つとして、
5W1Hの視点があります。

デザインコンセプト整理に役立つ「5W1H」

デザインコンセプトを整理する方法はさまざまですが、

初心者の方でも考えやすい方法として
5W1Hがあります。

これは、

Who/What/Why/Where/When/How

という6つの視点から
物事を整理するフレームワークです。
(フレームワーク:物事を考える上での枠組みや骨子)

デザインコンセプトを考える際にも、
この視点が役立つことがあります。

例えば、


Who(誰に)
→このサービスやブランドは誰のためのものなのか

What(何を)
→どんな価値を伝えるのか

Why(なぜ)
→そのデザインがなぜ必要なのか

Where(どこで)
→どの媒体・どんな場所で使われるか

When(いつ)
→どんなタイミング・時期で使われるか

How(どのように)
→どんな表現で伝えるのか

といった要素を整理することで、
デザインの方向性が見えてきます。

5W1Hで整理してみると、

これまでなんとなく感覚で捉えていたものが、
言葉として整理されていきます。

すると、

「だからこのデザインにするのか」と、
自分自身でも納得しながら手を動かせるようになります。

ここで重要なのは、

単に情報をまとめることだけではなく、
その企業の「らしさ」を見つけることです。

同じ業界の企業でも、
・どんな理念を持っているのか
・どんな強みを持っているのか
・どんな未来を目指しているのか
は、それぞれ異なります。

そうした違いを整理することで、
より強度の高いデザインコンセプトが生まれると考えています。

コンセプトがデザインに繋がる

デザインコンセプトが整理されると、
その後のデザイン制作の判断が
とても進めやすくなります。

例えば、

・情報設計
・UI設計
・ビジュアルデザイン

といった工程でも、

「今回のコンセプトに沿っているか?」

という視点で
判断ができるようになります。

つまりデザインコンセプトは、

デザインを進めるための羅針盤

として機能します。

どの方向に進むべきかを示し、
プロジェクト全体の判断を支える役割を持っています。

おわりに

ここまで読んでくださってありがとうございます!

もしかすると、

これまでデザインをする中で
「なぜこのデザインにしたのか」を
うまく説明できずに悩んだことがあるかもしれません。

今回の内容は、
そんな悩みを少し軽くするヒントになればと思い
まとめたものです。

このシリーズでは、
・リファレンスから業界の文脈や型を理解する
・仮説を立てて方向性を整理する
・デザインコンセプトとしてデザインの軸を作る

という流れで、
デザインの上流工程の思考プロセスを整理してきました。

一見すると、デザインは
「見た目をつくる仕事」に見えるかもしれません。

ですが実際には、
・何を伝えるべきか
・どの方向で進むべきか
・なぜその表現なのか

といったことを整理する、
思考の積み重ねの上に成り立っています。

今回のシリーズで紹介したプロセスは、
その土台となる部分です。

まだまだ自分自身も試行錯誤の途中ですが、
少しでも日々の業務のヒントになれば嬉しいです。

もし制作事例に興味を持っていただけましたら、
ぜひWORKSもご覧ください!

pageWorks札幌のデザインブランディング | commono inc. コモノ株式会社

それではまた。

Written by

辻 竜二 Ryuji Tsuji

designer

札幌市出身、2016年3月に北海道芸術デザイン専門学校卒業。
映像制作会社、広告代理店勤務を経て2020年1月入社。
Webデザイン・ECオペレーターをメインに、映像制作、CGモデリング、DTPなど、クリエイティブ全般の業務に広く携わらせていただいています。

Q1. commonoに参加した理由
きっかけは知人の紹介です。"ブランディング"というクリエイティブの手法に縛られずに企業の課題解決に取り組む姿勢に魅力を感じ、デザインに関わる様々な経験を積めると感じ入社させていただきました。
Q2. わたしの偏愛
白黒の動物が好きでグッズ収集をしています。
Q3. 今後commonoというフィールドでやりたいこと
北海道のクリエイティブの価値を高めていくため、たくさんの人に愛されるブランディングのため、コモノの一員として日々自分がすべきことを考え努力していきたいです。

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