デザインの話では、「型」や「文脈」という言葉がよく使われます。少し分かりにくい言葉なので、ここでは簡単に説明します。
———
💡型とは:
型とは、どうすれば、その業界やサービスらしく見えるのかという基本的なルールです。
・文字のサイズ感や使っているフォント
・色の使い方とその割合
・レイアウトの仕方
・写真や画像素材の配置・その内容
世の中で目にするありとあらゆるものに、「それらしさ」の印象を与えるルールが必ず存在します。「化粧品広告っぽい」「ファッション誌っぽい」「求人募集っぽい」「パンフレットっぽい」そう感じさせる、ある程度決まったルールのことを指します。
どれだけ個性的でおしゃれなデザインでも、見た人から「何のサービスか分からない」と思われてしまえば、予約や問い合わせにはつながりにくくなります。
型を知らずにデザインを作ると、そのサービスらしさや、利用する人の安心感を失ってしまうリスクがあります。
💡文脈とは:
ユーザー(見る人)がこれまでに体験してきたことや、そこから生まれるイメージのことです。
例えば、スマートフォンの操作に慣れていない年齢層の人が多く利用するサイトで、ボタンや説明を減らしすぎると、「どこを押せばよいのか分からない」デザインになるかもしれません。
一方で、スマートフォンやSNSを日常的に使っている若い世代に向けたサービスで、古い印象の装飾や操作方法を使うと、「使いにくそう」「少し古そう」と感じられることもあります。
このように、見る人がどのような体験や知識を持っているのかを知らずに作ると、ユーザーの感覚とずれたデザインが生まれてしまいます。
———
型は、必ず守らなければならない正解ではありません。
実際あえて型から外す場合も少なくないです。しかし、あえて型を外す場合は、その業界の型や文脈を熟知したうえで、明確なコンセプトや意図がある場合に行うことがほとんどです。
リファレンスを集めることで、「この業界では、どのような見せ方がよく使われているのか」「このサービスを使う人は、どのようなデザインなら理解しやすいのか」を、実際の事例から考えられるようになります。
つまり、リファレンス集めは、素敵な見た目を探して模倣するための作業ではなく、見る人にきちんと伝わり、安心して使ってもらえるデザインを作るための準備でもあります。
まず基本の型を知ることで、「どこにそれっぽさを出して、どこに独自の個性を出すのか」を考えやすくなります。