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ブランディング(1)自分(たち)をブランド化する
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2017.02.14

ブランディング(1)自分(たち)をブランド化する

ブランディング(1) 自分(たち)をブランド化する
みなさんこんにちは、commono デザイナー/翻訳者のうちむらです。
突然ですが、「ブランディング」について考慮されたことはおありでしょうか?企業オーナーや会社の広告を担当していたり、芸能人でもない限り、自身や自社のブランディングについて真剣に考えることは少ないのかもしれません。
しかし、今や個人で会社や店を運営していたり、あるいはブロガーやユーチューバー、果てはフリーランスで仕事をしている方も、「個人をメディア化」することへの敷居が低くなっているこの時代ですから、ブランディングとはなにか、という部分くらいはさらっておいて損はないのではないかと思います。
そもそも「ブランディング」ってなんなんでしょう?ブランドという言葉はよく聞きますが、定義はときかれるとなにかぼんやりしているのではないでしょうか。
「ブランド」は、日本語ではよく「銘柄」とか「商標」と訳されますが、本来の意味は「焼印」です。家畜などに印をつけて、「この牛はジェームズさんとこの焼印がついとるからトーマスさんとこのではないべ」とやっていたのが最初だったんですね。
ですから、企業や個人としてブランディングを考えるとき、それは、「よそとうちを区別する」ためのイメージづけの手法、ということができると思います。大企業が社名やロゴ、トレードマークというものにお金をかけるのはこのためですが、もちろんそれ以外の方法でもあなたやあなたの会社をほかから区別して、目立たせることが出来ればいいわけです。
たとえば「made in japan」というのは特に商標でもロゴでもありませんが、それが記載されていればなんか安心で丁寧に作られてそうな気がします。このイメージは日本人だけでなく、大方の外国においてもおそらく同様の印象があることでしょう。これは戦後のものづくりにおける何十年という期間で日本の産業自体がそのブランディングに成功した事例といえるのではないでしょうか。
以上のことからまとめると、ブランディングとはすなわち、「差別化」です。シャネルやグッチを持っているなら羽振りがいいのかなと思えるのは、それらのブランドでは一定以下の価格のものはおいていないといことをみんなが知っているからであり、海外旅行でマクドナルドに行って安心するのは、どれくらいの値段でどんな味のものが食べられるかが予想できるからです。自分の、あるいは自分の属するチームの「特別な部分」が「認知される」こと、これがブランディングの目的なのです。例をあげてみましょう。
あなたが、小さなラーメン屋を経営しているとします。自分なりに味を追求し、自分では最高においしいラーメンになったと自負しています。しかし、現在札幌にあるラーメン店は100を超えますから、単に「ラーメン屋」として店を出しても、埋もれていってしまいます。他との差別化をしなければ、近所の人しか来てくれず、その少数の人の舌にあわなければ、あるいは価格が少しでも高ければ近くの他店に客がとられてしまいます。
お気づきでしょうか、ブランディングをおろそかにすると、他者と競争するためには、「価格や立地などの、既定の条件でしか勝負できなくなる」のです。これは小企業や個人で会社を運営する場合、特に大きなデメリットです。価格を下げる、提供を速くするなどの競争を大手と行うことは資金的に無理だからです。そのような競争に身を投じるなら、比較的短期間で資金や体力が枯渇してしまうでしょう。大企業の場合であっても、この部分をおろそかにすると、プロモーションが空を打つようになり、仕事量を増加させないといけなくなり、利益が下がり..という負のスパイラルに落ち込む可能性が高いです。
では、「他とちがう、自分(たち)の特別な価値を認知してもらう」には一体どうしたらいいのでしょうか。とにかく一番最初にするべき作業は、「自分(たち)を知ることになります。ラーメンであれば、他の店にはない麺や、スープの配合に他の店にはない唯一の「売り」となる個性はあるでしょうか?素材はどうでしょう?実家で農家をやっているので、野菜の調達はそこから直接仕入れているなどの状況があれば、それを押し出していくなら、それは単なるコスト削減から、ブランディングに使える「特別」に変わります。
ありえないことかもしれませんが、仮に味が完全に他店のパクリであっても、それをブランディングすることは出来ます。「今まではあそこでしか食べられなかったあの味が、ここでも食べられる」という事実をブランド化するのです(昔、「⚪︎⚪︎のジャニス・ジョプリン」のような女性歌手が場末のバーなどで歌っていたことがありますが、こういうのも、設定した市場規模が合えば、立派なブランディングといえます)。
ブランディングとはある意味、競合他者との勝負において、あらたな土俵を作ること、と言えるかもしれません。自分の強みを土俵にすれば有利なのは言うまでもなく、その勝負が自分にしかない価値でできるとしたら理論的には(圧倒的な規模の大手が無理やり参入してこない限りは)負けなしです。「ここに来れば、ここにたのめば他にはないこんな経験ができる!」というものを持っていること、それを見つけること、それがなければ作ること、これがブランディングにおける第一歩、と言えるでしょう。
次回は、そのようにして見つけた価値をどのようにして「伝える」のか=ブランドの構築についてお話いたします。

Written by
Shun Uchimura

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