2017.05.13
オウンドメディア(1)受け手主観でオウンドメディアをつくる
こんにちは、commonoデザイナー/翻訳者の内村です。札幌にもようやく春がやってきましたね。ちょっと気が早いですがBBQの話題なんかもちらほら出てきているのではないでしょうか。
BBQといえば、こんなサイトをご存知ですか?
https://www.bbqgo.jp/
全国のおすすめBBQ場やレシピ、役立つ情報等が掲載されているのですが、実はこれ、日本ハムのオウンドメディアサイトなんです。しかも立ち上げから1年半で、訪問者数800万人(PVではないです)を達成した、非常に成功した例、といえると思います。
日本ハムは以前からオウンドメディアを運用していました。コーポレートサイトが中心だったのですが、ユーザの利用実態を調査したところ、「企業目線の情報に興味がない」「キャンペーン情報にしか興味がない」という意見が多数を占めたそうです。それで同社はオウンドメディア運用の転換を図りました。つまり、
・日本ハムの事業に関連がある
・多くの消費者と関連がある
・競合に勝てる可能性がある
この3点に絞って消費者が食いつくコンテンツを提供するという転換を行ったわけです。しかし、なぜハム会社が、BBQのコンテンツを選んだのでしょう。
日本ハムというくらいですから、加工品のイメージが強いのは当然なのですが、実は、食肉の売り上げの割合がかなり多い会社です。「桜姫」というブランドの鶏肉を大型スーパーなどで見かけることがあると思いますが、あれは日本ハムの製品なんですね。調べてみると、国内の食肉販売量の20%近くのシェアを持っているようです。
同社の調査によると、BBQでもっとも需要がある食材は牛肉で、その次がソーセージなのだそうです。つまり、「BBQの市場を拡大させることで、自社が恩恵にあずかることができる」という判断のもと、このサイトを運営している、ということになります。
少しスケールが大きすぎる感じがしますが、現在オウンドメディアの導入を考えている人にとって絶対に押さえておかなくてはいけない原則がこの事例にあります。それは、「オウンドメディアを運営する場合、受け手側からの発想を決して忘れてはいけない」ということです。
ここで「顧客」でも「消費者」でもなく、「受け手」としたのは、オウンドメディアが提携しうる企業に向けての発信となる場合があるからですが、通常は「顧客目線で」という考え方で良いと思います。自分の、あるいは自社の事業で、これには一家言あるという分野があると思います。その中からお客さんが食いつきそうな情報をなるべくたくさん用意します。この分野で困ったらまずそのサイトにいけばいい情報がある、と思ってもらえたらグッド。これ面白い!でもOK。ブックマークしたり、知り合いにシェアしてもらう、そんな存在になるといいですね。
ブログの形式でやっているオウンドメディアも結構ありますが、よくあるのが新製品の紹介をずっと更新する、活動内容をずっと更新する..といった類のものです。アイドルとかインフルエンサーと言われる人は、その人自体がメディアであり商品なのでそういう発信の仕方の効果性があるのであって、我々がやっても読み手にニーズのある情報にはなりません。やめましょう。
自分の持っている情報の中で、顧客にニーズがありそうなのはなにか。もしかしたら、店舗で売っている商品よりも、そこに置いてあるインテリアの情報や流している音楽の解説の方に食いつくかもしれません。そして、それを足がかりに、お客様が店舗に足を運んでくれたら、それはオウンドメディアがもたらすひとつのソリューションとなるわけです。
次回は海外の事例をいくつか紹介いたします。
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