ブランディング(2)印象をコントロールする

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こんにちは、commonoデザイナー/翻訳者の内村です。
ブランディングについてのシリーズの2話目となります。前回、ブランドとはつまり、自分(たち)を他と差別化し、その強みを認知してもらう、そのプロセスがブランディングであるということは前回お話しました。今回は、自分の見つけた強みをどのように周りに認知してもらうかについて考えていきましょう。
あなたは、店を、あるいは商品を選ぶとき、なにを基準に選んでいますか?例えば、自分の会社の近くにコンビニが3件ある場合、買うものによってどれかを選ぶということはあるかもしれませんが、きっとメインでいく店はどれかに偏っていくと思います。
わたしたちは普段、その偏りの理由を自分の中であえて言語化することはありません。でも「ここの店は流行に敏感そう」とか「ここはコーヒーおいしいんだよね」「ここの弁当はガッツリ食べれそう」というイメージが、「今日はここの店に行こう」という決定に影響を及ぼしているはずです。
これはもちろん、今まで何度かその店に訪れた経験にももとづいているのですが、ではその店を「最初に選ぶとき」はなにに基づいているのでしょう?そこに、ブランディングの重要性がある、と言えます。
この点に関して言えば、店や会社で考えるよりも「自分をどう見せるか」ということに話を置き換えたほうがいいのかもしれません。例えば、あなたが結婚を予定していて、相手のご両親と初めて食事に行くとします。彼女はあなたの内面をよく知っていますが、ご両親はそうではありません。その最初の食事でできるだけあなたについて見極めようとしています。さて、そんなとき、あなたはどんな服装、身づくろいを選ぶでしょうか。
まあもちろん、普段の格好でその場に行ってもいいのですが、たとえばあなたがいくら品行方正で健全な青年でも、レザーの上下を着て、スタッズ付きの首輪をつけ、大量のピアスをつけていけば「パンクの人」とみなされるでしょうし、チェックのシャツをケミカルジーンズの中に入れていったら「オタクの人」とみなされるでしょう。ヒゲはそったほうがいいでしょうか、髪は切ったほうがいいでしょうか。
もちろん、これらはすべて「人による」でしょうし「ケースバイケース」なのですが、ここで重要なのは、あなたがこのときどんな服装や身づくろいを選ぶかによって、「彼女のご両親の第一印象をコントロールできる」ということです。ここで優しさや誠実さを演出できる格好、知性や有能さを演出するような服装は存在し、少なくともそういう格好をすることで「この人はほかの人にこう思われたいのだ」というメッセージは伝わります。
見た目や雰囲気というのは軽視されがちですが、人の印象を大きく左右するファクターです。最重要な要素であると考える学者もいます。そして、ここを重視することは、実はとても費用対効果が高いプロモーションであるといえます。たとえばご両親にご自分の知性をアピールするときに、見た目以外でそうしろといわれた場合、ほかにどんな方法があるでしょうか。「偏差値の高い大学に行って学位をとる」、「難関の資格を取ってみせる」というような方法は比較的確実なアピールとなるかもしれませんが、一朝一夕で手に入るものではありません。しかし、「頭の良さそうな格好」ならすぐにできます。「ハッタリ」と言われれば身も蓋もありませんが、印象をコントロールする、という観点で考えるなら、こちらのほうがむしろ効果的な場合もあるのではないでしょうか。
よく会社の費用削減をするときに、広告のこの部分を省く判断をすることがありますが、それが間違った判断となることが多いのはそのためです。ここをケチると、普段着ているチェックのシャツとケミカルジーンズで両親に挨拶に行くようなもの、といえばわかりやすいかとおもいます。
ブランディングとは、その企業、サービスの第一印象を操作する大事な作業です。それを行うには、自分(たち)がどう思ってもらいたいか、これを正しく設定します。ですから、
・顧客層の設定
・価格帯の設定
・企業スローガン、哲学、キャッチコピー等の制定による言語化
等が大事になっていくわけです。そして以下のものが上記で設定したものを的確に表現しているかを考えます。
・テーマカラー
・ロゴ
・web,パンフレット等のデザイン
・店舗デザイン
ブランディングは他にも以下のものに影響を及ぼすかもしれません。
・名刺等の小物
・スタッフの服装(制服にかぎらず、あえてカジュアルにする、ジャケットを着る等の選択)
・顧客対応時の言葉遣い(丁寧さと親しみやすさのバランスをどう配分するか)
・オフィスがあるなら、そこに飾る植物、蔵書等(ペット等もあるかもしれません)
これらすべては「あなた(たち)が対象となる人にどう思われるか」を左右する要素であり、このようなディテールにも気をくばることで、顧客となる人に自分たちを他から選びとってもらうことができる、というのがブランディングの考え方です。
上記に加え、ブランディングには「ここは他と違う」という「オンリーワン」の要素の打ち出しが必要になります。そのためには「キャラ被り」をさける見せ方も必要になりますね。
あなた自身の演出にも共通する部分ですが「ギャップの演出」とがここで有効になります。「マイナスイメージを逆手にとる」と言えるかもしれません。
たとえばユニクロはおそらく、「没個性」とか「機能だけでファッション性に欠ける」というようなマイナスイメージがあるのだと思いますが、これをふたつのアプローチで解消しています。ひとつは、有名デザイナーとのコラボしたラインの販売です。「ユニクロでNIGOのデザインが買えるの?」「あれルメールのデザインなの?」というギャップが発生し、今までユニクロを鼻で笑っていたファッションピープルといわれる人も店舗を訪れます。
もうひとつは「LIFE WEAR」という広告です。あのコピーやCMが打ち出したいのは「汎用性のある服は、つまり色々な年代が、色々な場面で着ることができる服なので、デザイナーズのように着る人や場面を限定しない→そのほうが個性を演出できるってことじゃない?」という、マイナスイメージを逆手にとる手法なわけです。
このような演出をすることでユニクロは、イメージの転換に成功しています。私たちの会社も、提供するサービスや製品を抜本的に変えなくても、「見せ方」を工夫するだけで、マイナスイメージさえオンリーワンの価値に変えるこができるのです。
さて、ではこのように構築したブランドを、どのように運営していくことができるでしょうか。次回はその点を扱いたいと思います。

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